注意: AR Cloud は、2025年1月22日をもちまして、非推奨となりました。下記の手順は、2025年1月22日より前にAR Cloudを含むエンタープライズライセンスを購入したユーザーのみ対象となります。
Magic Leap の AR Cloud では、マッピング、ローカライゼーション、空間アンカーなどの機能を使用して体験を共有できます。
注 (2022年12月以降) : AR Cloud を使用する (または使用予定がある) 場合は、デバイスの OS バージョンが 1.1.0 であることを確認してください。
AR Cloud の概要
AR Cloud は、Magic Leap 2 デバイスが大規模な空間データにアクセスできるようにする接続サービスです。デジタルツイン管理者が共有スペースを作成し、デバイス側のスキャンを管理し、スキャンをマージして大規模なスペースに追加するウェブベースのコンソールにて、空間データの管理が行われます。AR Cloud 管理者は、空間マップのインポートとエクスポート、大規模なデジタルツインのデプロイ管理、及びMagic Leap 2 デバイスアクセスの監視が可能です。
AR Cloud の利点
AR Cloud を使用すると、Magic Leap 2 単体の性能限界を超える体験を作り出せます。以下の機能は、ユーザーの Magic Leap 2 体験を向上させるのに役立ちます。
- 空間共有体験 – 複数のユーザーが共有マップとその空間アンカーを通じ、同じ場所で同じデジタルコンテンツを体験できるようにします。
- 大規模な空間マップ (10,000m² 超) – AR Cloud を使用しない場合、各デバイスでは最大 250m² のローカルスペースを5件まで登録するのが限界です。
- デバイスで無数のスペースへアクセス可能 – Magic Leap 2 デバイスは、ローカルには5件までしかスペースが保存されないのに対して、AR Cloud では無数の共有スペースにアクセスできます。
- テクスチャメッシュのエクスポート – スペースのテクスチャメッシュスキャンを USD ファイル形式でエクスポートできます。
AR Cloud のデプロイ
Magic Leap AR Cloud のセットアップは、3つのステップから構成されます。
- システム要件を確認してセットアップします。
- カスタマーケアにシークレットをリクエストします。
- https://developer-docs.magicleap.cloud/docs/guides/arcloud からダウンロードし、インストール手順に従います。
- 動作確認します。
注 : AR Cloud のセットアップは IT 管理者を対象としています。
システム要件
オンプレミスデプロイの要件
最良の結果を得るため、現時点では Linux のみを使用することをお勧めします。
Linux のシステム要件 |
||
|
最小 |
推奨 |
OS バージョン |
Ubuntu 20.04 |
Ubuntu 20.04 |
コンテナタイプ |
Kubernetes1.23
|
Kubernetes 1.23
|
RAM |
16GB/ノード |
32GB/ノード |
プロセッサ |
x64 4コア |
x64 8コア |
GPU |
なし |
なし |
サービスアプリのための最低限ストレージ |
500GB |
1TB |
複数のマップに必要な容量 |
500GB |
1TB |
帯域幅(上り/下り) |
1 GB Wifi 6 |
1GB Wifi 6 |
クラウドデプロイのシステム要件
最良の結果を得るため、現時点では Google Cloud Platform のみを使用することをお勧めします。
Google Cloud Platform の要件 |
||
|
最小 |
推奨 |
OS バージョン |
Container Operating System |
Container Operating System |
コンテナタイプ |
Kubernetes 1.23 ノード : 3 |
Kubernetes 1.23 ノード : 8 |
RAM |
16GB/ノード |
32GB/ノード |
プロセッサ |
x64 4コア |
x64 8コア |
GPU |
なし |
なし |
サービスアプリのための最低限ストレージ |
|
|
クラウド帯域幅 |
1GB/秒 |
1GB/秒以上 |
ネットワーク帯域幅 |
1GB WiFi 6 |
1GB WiFi 6 |
エンタープライズコンソールの使用
Magic Leap エンタープライズコンソールのユーザーアカウントを使用すると、エンタープライズコンソールにアクセスして制御できるようになります。ユーザーはエンタープライズコンソールを使用して、システム、デバイス、スペース/スキャン及びサービスのステータスを確認できます。エンタープライズコンソールにアクセスすると、次のことができます。
- システムのステータスの確認
- Magic Leap 2 デバイスを AR Cloud インスタンスに登録
- スペースとそのスペースを構成しているスキャンを管理 (追加/削除/マージ)
- 外部ツール (Omniverse など) で使用するための、スペースのテクスチャメッシュを USD 形式でエクスポート
- デバイスごとのスペースへのアクセス管理
ユーザー管理
すべてのユーザーアカウント管理操作は Keycloak を介して行われます。ユーザーとその役割の追加、削除、定義などの操作については、Keycloak のサーバー管理ガイドを参照してください。
アカウントの作成
- Keycloak を www.keycloak.org でダウンロードします。
- 管理者が Keycloak をダウンロードし、サーバーが稼働したら、管理者はブラウザで http://localhost:8080/ にアクセスし、アカウントを設定します。
- 管理者は、独自のログインユーザー名とパスワードを用いて別のアカウントを作成します。
- アカウント管理の詳細については、Keycloak の サーバー管理ガイドを参照してください。
エンタープライズコンソールへのアクセス
ログインページ
- AR Cloud の初期設定時に設定した URL に移動します。
例 : http://arcloud.example.com - ページに到着すると、ログイン画面が表示されます。ここで、ユーザーは Keycloak 資格情報をユーザー名とパスワードフィールドに入力します。
- 資格情報を入力したら、[サインイン] をクリックして エンタープライズコンソールにアクセスします。
パスワードをお忘れの場合
- パスワードを忘れた場合は、ログインフィールドの下の [パスワードを忘れた場合] リンクを選択してください。
- ユーザー名またはメールアドレスを入力し、[送信] をクリックします。
- メールアドレスに新パスワード作成のメールが届きます。
エンタープライズコンソールダッシュボード
ダッシュボードの初期 UI
初回ログイン時にはダッシュボードに「コンソールへようこそ」というメッセージが表示されます。この UI は、ダッシュボードへのアクセスが初めてであることを示します。この初回ログイン時のダッシュボードでは、ページ上のいくつかの領域に説明が表示され、それぞれのセクションの内容を概要で示します。
ダッシュボードから別のページに初めて移動するとこの内容は変更されるため、初期 UI と呼ばれます。新しいダッシュボードの UI は初期 UI と似ていますが、説明が消え、レイアウトがわずかに簡略化されています (以下を参照)。
ダッシュボードには、共有スペース、デバイス、AR Cloud ステータスの3つのセクションがあります。
1. 共有スペース
共有スペースは、空間共有を可能にする1つ以上のスキャンで構成されるクラウドベースのデジタルツインです。[共有スペース] カードには、有効なスペースの数と、自動マージがオフになっているスペースの数が表示されます。
2. デバイス
[デバイス] カードには、インスタンス内のデバイス (接続済みおよび接続解除済み) の合計数が表示されます。カードのショートカットから、ユーザーはデバイスを [管理] および [構成] できます。
3. AR Cloud のステータス
AR Cloud ステータスカードにて、ユーザーはエンタープライズコンソールで使用されるサービスのステータスを表示できます。
ユーザーは、上部のナビゲーションバーを使用してエンタープライズコンソール内を遷移することもできます。
デバイスの登録
Magic Leap 2 デバイスは、構成によってインスタンスに追加できます。
ナビゲーションヘッダーまたはダッシュボードから構成ページに移動します。
ナビゲーションヘッダー > デバイス管理 > 構成
または
ダッシュボード > デバイス > デバイス構成 > 構成
[構成] をクリックすると、構成ページに移動します。インスタンスごとに一意の QR コードが、デバイスの構成方法の説明とともに表示されます。
注:この記事では QR コードにぼかしをいれています。
ユーザーが QR コードを共有したい場合は、QR コードを印刷したり、PDF としてダウンロードしたりするオプションもあります。
デバイスの構成
Magic Leap 2 デバイスを AR Cloud に接続するには、まずデバイスのユーザーアカウントで AR Cloud の使用を承認する必要があります。これは、Magic Leap 2 デバイスから AR Cloud にログインして行います。前提条件として、最初に KeyCloak でユーザーアカウントを設定する必要があります。QR コードを使用して AR Cloud を構成した後、設定アプリからログインします。詳細については以下の手順を確認してください。
Magic Leap 2 デバイスから設定アプリを開いて AR Cloud を設定します。
設定アプリ > パーセプション > AR Cloud
以前の設定が存在しない場合、AR Cloud の選択には「未構成」と表示されます。
QR コードアイコンを選択し、構成 QR コードをスキャンします。
認証に失敗した場合は、デバイスがオンラインであり、入力した資格情報が KeyCloak のアカウント情報と一致していることを確認してください。
認証が成功すると、AR Cloud の選択が構成済みとして表示されます。[ログイン] ボタンを選択して認証プロセスを開始します。KeyCloak で作成された AR Cloud ユーザーの資格情報を入力するため、ウェブブラウザにリダイレクトされます。
デバイスの管理
ナビゲーションヘッダーまたはダッシュボードからデバイスページに移動します。
ナビゲーションヘッダー > デバイス管理 > デバイス
または
ダッシュボード > デバイス > 管理対象デバイス > 管理
デバイスが構成されていない場合、デバイスページは以下のように表示されます。
デバイスを構成すると、[デバイス] ページに、インスタンスに追加した各デバイスの情報がリストで表示されます。ユーザーは、各デバイスのシリアル番号、接続ステータス、バージョン、ビルドフィンガープリント及び最後の接続日時を確認できます。
以下の例では、複数のデバイスが構成された状態の [デバイス] ページを示しています。
[デバイス] タイトルの横にデバイスの総数が表示されます。これは、ダッシュボードの [デバイス] カードの [管理対象デバイス] の下に表示されている数と同じになります。各デバイスに関し、シリアル番号、接続ステータス、バージョン、ビルドフィンガープリント及び最後の接続日時が表示されます。
注:デバイスは、デバイスゲートウェイサービス およびストリーミングサービスに接続されている場合に「接続済み」と見なされます。両方のサービスに接続すると、「最終接続」タイムスタンプが取得され、これが緑色のチェックを表示するかの判断に使用されます。デバイスが [デバイス] ページに表示されるためには、デバイスを登録し、電源をオンにする必要があります。AR Cloud に接続しなくてもデバイスの電源をオンにすることはできますが、電源がオフになっている場合は接続状態とはなりません。
ビルドフィンガープリント (「ビルド」として表示) には、デバイスビルドが運用環境で署名されているか、内部ビルドであるか (運用環境で署名されたビルドはセキュリティで保護されたハードウェアでのみ実行可能)、ビルドでセキュリティの適用が無効になっているかどうか (ユーザーがデバイス上のファイルを変更可能) といった情報に加え、その他の有用なデバッグ情報が含まれています。デバイスのバージョンとビルドフィンガープリント (「ビルド」として表示) は、主にトラブルシューティングの目的で使用されます。
ユーザーが [デバイスの構成] ボタンをクリックすると、[構成] ページに移動します。[デバイス管理]ドロップダウンから [構成] ページにアクセスし、[構成] をクリックすることもできます。以下は [構成] ページの例です。
[印刷] 機能では、ユーザーに次の画面を表示します。
スペースとスキャンの管理
スペースとスキャンを管理するには、ナビゲーションヘッダーまたはダッシュボードから [共有スペース] ページに移動します。
ナビゲーションヘッダー > 共有スペース
または
ダッシュボード > 共有スペース > 管理
スペースが追加されていない場合は、以下のようになります。
新しいスペースの追加
新しいスペースを追加するには、[+ 新しいスペース] ボタンをクリックします。
新しいスペースに名前を付けることができるダイアログボックスが表示されます。
スペースが作成されると、[共有スペース] ページがリストで表示され、追加された各スペースの概要が表示されます。リストには、スペースの名前、ID 番号、作成日時、最終更新日時、有効化の有無及びステータスが表示されます。
[共有スペース] テーブルは、[名前] 列のアルファベット順に自動的に並べ替えられます。ユーザーは、列名をクリックして、他のヘッダー (作成日時、最終更新日時、有効化の有無、ステータス) で並べ替えることができます。テーブルで並べ替え対象となる列を示すため、対象の列タイトルの横に上向きの矢印のアイコンが表示されます。以下の例では、テーブルは [作成日時] 列で並べ替えられています。
各スペースには、名前、ID 番号、作成日時、最終更新日時、有効化の有無、及びステータス(自動マージの有無)になっているかどうかが表示されます。
注: スペースが無効化されている場合、そのスペースはデバイスに送信されなくなります。ユーザーはチェックボックスを使用してスペースを無効化することができます。
ユーザーは、各スペースの行の右端にある点線のアイコンを使用して、名前を編集したり、スペースを削除したりできます。
各スペース名の左側にある三角形のアイコンをクリックすると、ドロップダウンにスペース内のスキャンが表示されます。スキャンがない場合は、ドロップダウンに「利用可能なスキャンがありません」と表示されます。
スキャンがスペースに追加されている場合、ユーザーはドロップダウンリストでスキャンを表示できます。 各スペースはアクティブなスキャンを1件だけ持つことができ、スペース内の残りのスキャンは非アクティブと見なされます。アクティブなスキャンは、[アクティブ] 列のラジオボタンで識別できます。各スキャンは、スキャンラベルの下に一意のスキャン ID (例 :「Local Space 4506」) とともに表示されます。このドロップダウンリストには、スキャンの作成日時やバージョンなどの追加情報も表示されます。ユーザーは、このリストビューからスキャンを削除およびダウンロードすることもできます。
スキャン名の横にあるラジオボタンを使用して、スペースの新しいアクティブスキャンを設定できます。続行するかどうかを確認するダイアログボックスが表示されます。
スキャンは「.map」および「.usdz」形式で提供されます。.map ファイルは内部的に使用され、.usdz ファイルを使用すると、ユーザーは 3D コンテンツを表示できます。ユーザーがダウンロードボタンをクリックすると、ダウンロードするファイルの種類を選択するオプションが表示されます。スキャンのダウンロードは、ユーザーがトラブルシューティング、デバイス間のマップの比較、またはサードパーティ製アプリのインポート/エクスポート操作を行う際に役立ちます。
ユーザーは、スキャンヘッダーの [スキャンのマージを有効化] トグルを使用してスキャンをマージできます。
注: マップマージ機能が無効になっている場合、ユーザーには [スキャンのマージを有効化] トグルは表示されません。
システムステータス
ナビゲーションヘッダーまたはダッシュボードから AR Cloud ステータスページに移動します。
ナビゲーションヘッダー > AR Cloud ステータス
ダッシュボード > AR Cloud ステータス > 表示
AR Cloud ステータスカードには、AR Cloud ステータスページ全体のプレビューが表示されます。
この表では、AR Cloud でサポートされている 7 つのサービス (スペース管理、セッションマネージャー、ストリーミング、スキャンマージ、空間アンカー、デバイスゲートウェイ、ユーザー ID) を示しています。緑色のチェックマークは、サービスが正しく実行されていることを示します。現在、各サービスの説明はありませんが、今後追加される可能性があります。現時点では、このページはトラブルシューティングに使用されます。
ただし、サービスが正しく実行されていない場合は、[ステータス] 列に「実行されていません」と表示されます。
このテーブルでは、各サービスのバージョンも強調表示されます。ユーザー ID にはサービスとして唯一この値がないため、N/A と表示されます。
ユーザー
ナビゲーションヘッダー > ユーザー
ナビゲーションヘッダーの [ユーザー] リンクは、ユーザーを外部サイト Keycloak に誘導します。すべてのユーザー管理操作はここで管理されます。
サポート
ナビゲーションヘッダー > サポート
[サポート] をクリックすると、カスタマーケアポータルに移動します。AR Cloud 関連の問題についてさらにサポートが必要な場合は、こちらからお気軽にお問い合わせください。